『自分と違うものが許せない』
・・というのは意外に誰もが持っている気持ちなのですが、、(価値観の違いが受け入れられないとか)
母はあまりにもそれが激しすぎることにより苦しみまくっています・・・。
極論を言えば世の中には自分と自分以外の二種類の人間しかいないわけですが(誰のパクリや(笑))
自分以外の全員は自分とは絶対に同じではないわけです・・・。
つまり『自分と違うものが許せない』と言うならば『自分以外は全員許せない』ということになります。
・・・ということで人と接する以上全てが『悩み』『苦しみ』になってしまうのです(笑)
当然人は一人じゃ生きれませんから・・
世の中の全てが『悩み』になります。
これはツライ。
そんなわけで母はいつも怒ってます(笑)
「あの人はなんか違う!」
「あの人は考えがおかしい!」
といっても一貫しているわけではなくてその時々で違ったりとか母の機嫌で変わったりとかしていたので、私はずっとその“違う”“おかしい”の基準がよくわからないな~・・と思っていたのですが、
“母自体”が基準なわけですからわからないのも当然でした(笑)
・・しかしそれにしても母はよくもまあそんなに悩むことがあるなと思うほどいつもいつも怒り、悩んでいる人です・・。
あまりに次から次から悩みを見つけてくるのでもうこれは『常に何かしら悩みの的がないと気が済まないんじゃないか?』とすら。
まあ、それもあながち間違いでもなく、何もないと昔の中国や韓国の女の争いとかがテーマの物騒な映画とかを見出してわざわざ嫌な気分を味わって気持ちが暗くなったり落ち込んだりとかしているそうですので・・
やはりなにか母は元からそういう物騒な感覚が好きなのかな?・・なんて思ったりもするわけです。
もちろん口では常に「なんで私にはこんなに悩み事ばっかりあるんだろ!」と嘆いていますが(笑)
余談ですが、よく水虫で長年悩んでいた男性が医者に通って完治してしまうと「なんか寂しい」とか「物足りない」とか変なことを言いだすのを昔奇妙だな~と思ったことがありますが・・
なんか母の『悩み』に対する感覚ってそれに似てるんじゃないかなぁ?なんて思ったり(笑)
・・まあ、そういう傾向があるため引き寄せやすいというのを置いておいても・・
やはり『悩む』というのは基本辛いものです・・。
ところで、実は私の結婚も、母が気に入らなかったのは旦那さんのことだけではなかったというのがほんとのところです。
母にとっては旦那さんの親御さんもまた“何か違う”人達でした・・。
まあ旦那さんの両親は都会の人というのもあり、特段何もなくても地元の田舎から出たことのない母にとっては習慣も考え方も確かにかなり違って見えたでしょうし、“普通じゃなく”思えたのだと思います。
しかも旦那さんの実家はそれに加えやはり少し特殊なケースではありました。
(あまり細かく書くとすぐに特定できてしまいますので(笑)ザックリ書きますが)
旦那さんのお母さんは病気のため早くに亡くなっています。
そしてお父さんはお母さんが亡くなって間もなくして再婚しました。
まあ、見方によっては「ちょっと再婚早すぎるんでは」なんて思う人もいるのかもしれませんが、
私から見たらとても明るく良い奥さんですし、お義父さんも最初は沈んでいたものの徐々に明るくなって今や二人で楽しく元気に毎日を過ごしているとのことですので何よりなんじゃないかなとも思うのです。
で、そんな状態の旦那さんの実家ですが・・
旦那さんはというと、実のお母さんがいないということと、元からあまり遠出するのが好きじゃないというのもあり(車で一時間半程度ですが)帰省することが殆どなく、年に一度も行かなかったりということもしばしば・・。
私の感覚からしたらそんな不義理をしたらものすごい恨まれるんじゃないかとか最初は内心ビクビクオロオロだったのですが(笑)
そんな私の心配をよそに向こうの親御さんは怒るわけでも何か嫌味を言って来るわけでもなく、たまに電話をくれる時には
「たまには孫の写真送ってくれよ~」とか「フェースブックに近況書いてるからね~」とか笑いながら言って来るようなそんな気楽な感じで、なんの裏の感情があるわけでもなさそうな様子です。
これには正直拍子抜けというか・・そんな親子の関係性に最初は『これでいいんだろうか?』と不安になったりもましたが、とにかくずっとそんな感じで特になにか問題が起きたりするわけでもないので『それはそれでいいのかな・・・?』なんて思うようにもなっていきました。
あとは年に数回贈り物をし合ったりとか、子供の節目にお祝いをくれたりだとかするだけの・・・とにかくそんなライトな関係です。
・・この歳になるといろんな人の嫁姑の問題だとかを聞く機会も多く、みんないろんな大変さがあるんだなぁなんてことが分かったりもしてくるので、
今となってはそんな旦那さんの親とのライトな関係が正直“気楽”で有難いとも思うようになったりして・・・。
・・・しかし私側の母はもちろん激怒です。
そんな“普通じゃない”向こうの親のあり方が許せるわけはなく、悔しくて悔しくて我慢してストレスでおかしくなりそうなんだということなのです。
「こっちばっかり押し付けられて!向こうはのんきに楽しくやりやがって!」
押し付ける・・・?
私はその言葉を最初に聞いた時にはびっくりしました。
「向こうの実家の近くに行ってもかん子が大変だろうし店もあるんだからこっちの近くに住むんだよ。みんな普通は女の実家の近くの方に住むもんなんだから。そうじゃないと女が大変でしょうがない。男なんか通勤に何時間かかったって女に協力するもんだ。」
と言っていたのは母です・・。
私はその通りにしました。母のためにも。
というか“こっち側の得”のために。(こっち側とは私と私側の親族です(笑))
いわば無理やり旦那さんを連れて来たようなもんです。
私は『母の言っていることが全て常識的で正しい』と思っていましたし、母もそれを望んでいると思っていましたので。
例え離婚となっても、それだけは譲れないという覚悟で私にしては珍しく強く訴え、貫いたのです。
それなのに後から気に食わなさそうに言われたその言葉に私は混乱しました。
『もしかして嫌だったのか?』
いえ・・私がもし向こうに近い方に行っていたらそれこそ「娘や孫を取られた!」と怒り狂っていたことでしょう。
私は悩みました・・。
『母は一体何を望んでいるんだろう・・』
『どういう状態になったら満足なんだろう・・』
でもいろいろ考えて最近わかったのです。
・・きっとどのようになっても母は気に食わなくて怒り狂うんだろう、と。
全て完璧に“こっち”が得をするまで。
でも全てこっちが得をすることなんてあるわけがありません。
物事って何に於いても全てプラスとマイナスの両面でできているわけですから。
損得ばかりを重視していたらマイナス面ばかりに目が行きますし、そんな風に考えていたら全てのことが不幸です。
どんなになってもずっとイライラ不満だらけで悔しくて当たり散らしてる母に幸せなんて来るんだろうかと・・私は最近思ってしまうのです・・。
思えば私が離婚して実家に入った時も嬉しがっていたのは最初だけで・・
結局私達親子が思い通りにいかなくてすぐにイライラし出していましたし、
この前なんかはカル〇ス〇ーンみたいな大企業の役員なんかがあんなに稼いでたってことを知っただけで絶望して怒って
「こっちはこんなに頑張って働いてこんだけしか稼げないのに!!」と悔しくなって眠れなくなったそうです。(もはや自分と全然関係ない)
母はきっと何がどうなっても気にくわないのです(笑)
・・・怒る材料を探しているのです。
不幸が好き・・と言ったら思いっきり怒られそうですが(笑)
「幸せになりたい」と言いつつ確実に自分から不幸を探しに行っているところがあるのは事実なんではないかと。
まあこれも毒を持っているがゆえの性なんでしょうね。
とにかく私としては、もう母の怒りに巻き込まれるようなことはやめることにしました。
その都度同調して一緒になって腹を立て、いろんなものを目の敵にして憎んだり恨んだりしていたら世の中辛いことしかないのだということに気付きましたので。
『それは本当に悪いことなのか』
『怒るようなことなのか』
『許せないようなことなのか』
何事も立ち止まって“自分の頭で”考えることが大事です。
冷静に考えたら、向こうの親御さんも、母の妹Rちゃんも、昔店で働いていた従業員の人達も・・母が言う程悪い人なわけではありません。
よくよく考えれば誰もそんなに悪い人なんかいなかったと・・今では思うのです。
そう、旦那さんだって別に悪人ではない(笑)
私もいろんな人を敵だと思ってた時はとても辛かったのを思い出します。
誰も信じられなくなってビクビクしていました。
まともなことを言って味方してくれるのは母だけなんだと・・根拠もなく母を信じ、母の話を全部鵜呑みにしていました。
今、ニュートラルに見回してみると、みんな『普通』だし、みんなそれなりに『変わって』ます。母を含め。
いろんな人がいろんな価値観で、それぞれの正義で生きているだけです。
母と違う人が全部間違っていて『悪』だということ自体おかしいことに気付かなかった過去。
・・俯瞰して見ると母だって相当変わってるし常識外れなこともやっているんじゃないかとも思ったりして・・。
痛感したのは離婚事件の時の母子手当受給申請の件でですが(笑)
その他にも考えればいろいろあります・・・。
自分と違う人間を認められないって、
いろんなことを許せないことってほんと不幸なんだなと、最近では思うようになった次第です。
・・と、これも気付けて良かったことの一つ。
ほんと、一つ一つが学びですな。