“自分が我慢することによって物事をうまく(思い通りに)いかせようとする”
こういう安易で極端な思考の方向性って、事あるごとに思考能力が低下するアダルトチルドレンにはありがちな気がします。
てか『我慢』ていうとなんか立派そうだし聞こえはいいですが・・・
はっきり言ってただの我慢は“怠慢”であると今では思います(笑)
だって我慢て、自分じゃ動かないんですよ。
周りが動いてくれるのを待って自分は何もしないでじっとしてるんです。
大昔の間違った宗教でもあるまいし、苦しいのにじっと耐えたり、またそういうふうに自分を傷めつけることが偉いとか思い込んでる奴ってただのマゾだと思います。
ましてや自分が辛い思いしたらその分の見返りが返って来るべきとかどこかで思ってるとしたら・・そりゃもうスケベ根性すぎてヘソで茶が湧きます。
・・てかね・・
解決するためにあれこれ頭を悩ませ建設的な努力をして前へ進もうとするよりかただその場所でじっと我慢する方が断然“楽”なんです。
受け身なので。
何にも考えないでただひたすらその状況に耐え忍ぶことは、その苦しさから『自分はやっている!』とか思い込んだり周りからも同情されたり称賛されたりとかしがちですが、実は“考える”という課題を放棄した手抜きであり“楽”なんです。
ただ、『楽してる』というのを自覚することはアダルトチルドレンにとってはとっても肩身が狭く居心地が悪いことなので、敢えて“そうしなければならない”理由を探したり自分に苦痛を与えたり辛そうにすることでその“考えることから逃避している楽な状態”を正当化して誤魔化しているとも言えます。
まあ周囲の人も楽しそうにやってる人には何かと厳しかったりしますが致し方なく苦しんでやってる人には同情したり味方するもんですからね。
だから自分に対しても周りに対しても“かわいそうな自分”でいることは怠惰を責められないための防御壁になるんです。
・・あざといです。
とにかく根っからのアダルトチルドレンは心が自立してないので何に対しても常に他人ありきの“受け身”。(程度はありますが)
『我慢して言う事聞いてれば怒られないし捨てられない』『力のない自分にはどうせ何もできない』っていう感覚が染み付いてしまっているからもしれません・・
受け身であればやった結果の責任を取らずにすむという逃げとも言えますが・・・そこまで意識しているというよりかは最初から諦めていると言った方が近く、積極的に物事に働きかけ行動を起こせば自分自身で自分の環境を変えられるっていう発想自体が元からないのです。
まあ結局自分で考え行動するということがことごとく悪い結果にしか結びつかなかったという過去の体験の積み重ねから学んで出来上がった思考回路とも言えますが・・
とにかく何があってもぐっとこらえて辛い我慢をして、そうすればいろんなことがなんとかなるかもしれないとどこかで考えています。
いえ、『なんとかなる』というか、『なんとかならなければ終わるしかない』くらいな極端な事を思っていたりして・・・おいおい
“成り行きに任せる”というのは本来やれるだけのことをやった後の話なんですが(笑)何もやらずに(またはいらない努力をして)ひたすら待ちます・・。
ほんとに受け身にも程がありますが、とにかくそこに『自分でなんとかする』という当たり前の選択がないのが典型的なアダルトチルドレン子だったりするのです。
『物事は我慢することでしか解決できないものだ』という思い込み。
逆に言えば“何かを変えたければ自分が我慢する”というやり方。
いわゆる自己評価低く無力感満載のアダルトチルドレンが身に付けている代表的な物事の解決方法です。
ほんとは・・・我慢という努力をどんなにしたところで大概のものはそんな都合よく変わるわけないのが現実なんだけどね(笑)
・・だからこそアダルトチルドレン子にとってはこの世界のほとんどのことは上手くいかず毎日毎日がもう『期待しては裏切られ』の“絶望”の連続なんです・・。
・・でも、これがね、変わって来ることがあるんですよ。
ダイエットです。
ダイエットは“変わる”んです。“自分の思い通り”に。
何がって・・自分の体重がです(笑)
当たり前ですね(笑)
当たり前なんですが、これはそれまでいろんなことが思い通りにならなかったアダルトチルドレン達にとってはエライ快挙なのです。
だって、自分が唯一できる“我慢”という安直な努力によって結果がなんと数字で現れるんですよ?目に見えて。
そしてそれは自分だけではなくて人に対しても「ドヤッ!」てして認めてもらえるんです。なんせ数字だから。
すごいことでしょ?(笑)
これが例えば恋愛の場合なんかは相手がいる事なので例によってなかなか思うようにもいかないものですが・・
ダイエットとなると自分自身のことですから我慢することでいくらでも思い通りに痩せていくわけです。
実は極端なダイエットはアダルトチルドレンのお得意分野なんです(キラーン)
極端なダイエット=間違ったダイエットなんですけどね。ほんとは(笑)
でも“間違ったダイエット”とかそんなのはとりあえずどうでもよくて、
受け身で常に思考停止気味の中、『ただ体重が減ればいい!』みたいな短絡的な考えで物事をおっぱじめようとする傾向にあるアダルトチルドレンにとって“我慢さえすればすぐに結果が体重になって現れる”ダイエットはものすごい快感なんです。
なんせ自分のお得意な“我慢”によって物事が思い通りになるんですから・・。
それはもう『自分で成し遂げた』という達成感で自信に満ち溢れるわけです。
『自分の力で物事を思い通りにできた』・・・もう全能の神にでもなったような気分です。(大袈裟なようですが自己評価が低々君で来たアダルトチルドレンにとってはそれくらいの感動です(笑))
努力がちゃんと実る感激。
その達成感によって出てくるドーパミンも相まってどんどん頑張ります(笑)
興奮状態キラキラーン☆です。
そりゃ辛くないわけではないですが、我慢強さは誰にも負けないアダルトチルドレンですから(そうやって子供の頃から生き抜いてきていますから)太らないために食べることを我慢する辛さくらい屁でもないのです。
そう、最初のうちは。
そんなわけでどんどんどんどん痩せます。
頑張れば頑張る程体重は減り続けます。
そんなこんなしているうちにそのうち生理も止まります。
体調も優れない日が続きます。
当たり前です。“食べてない”んですから。
・・でも体調が悪い、とかは立派な“我慢”の証ですから気にしません。
むしろ勲章です。
『自分はこんなになっても我慢ができる』『偉い』『すごい』
湧いてくるのは万能感です。
そして更に体調も悪くなり顔色も悪くなり、傍から見てもその異変が分かるようになってくれば周りのみんなが心配してくれたり気遣ってくれたりするようになります。
『どんどん痩せていく私。すごいでしょ!その上みんなが心配までしてくれる。ていうかむしろ痩せてることを羨ましがってるんじゃない?嫉妬?』
思考の方向性が明後日です。
みんなは“マジで”様子がおかしいから心配しているのです。
と、そんなふうに突っ走り出したら止まらないアダルトチルドレン。
ですが、そんなことを続けていれば徐々に脳にも異常をきたしてきます・・。
脳=心ということを忘れている悲劇。
生物の本能というものは当然生命を守ろうとしますから、あまりに飢餓状態が続くと自分の根性とは別に脳は勝手に危険信号を発するようになります。
『身体の危機!』『緊急事態!』
そして脳の暴走です。
『あれ?』
・・・気付くと心が言う事を聞きません・・・。
『食べたい、食べたい、食べたい・・・』
食べないことで弱って行く身体と精神に反しどんどん強く現れてくる本能・・
そして、とうとう暴食です。
飢えてるわけですから止まりません。
自分で止められない→食べすぎ→罪悪感
最悪『吐いて、食べたことを無かったことにすればいいじゃん』という、また短絡的な解決策が頭を過る人も現れます。
もちろん食べて吐けばまたお腹は空くし、
だからまた食べます。
でも太りたくないからまた吐きます。
そんなことを繰り返すうちに満腹中枢もガタガタになり、もうどんだけ食べたら満腹なのか、お腹が空いているのかいっぱいなのかも全くわからなくなります・・。
メチャクチャです。
メチャクチャな行動に脳も相当混乱するでしょうからそりゃどんどんメチャクチャになります・・。
そんなこんなしてるうちに何が普通の食事の仕方なのかもわからなくなり、“普通じゃない食べ方”を人に見られることが怖くなり、人前で食事ができなくなったりもしてきます。
もう頭の中は『食べたい!』『吐かなきゃ!』
それしかありません。
食べることと吐くことに自由にできる時間の大半を費やします。
胃に詰め込むだけ詰め込んで吐くなんていう作業はものすごい労力を要しますからそりゃもうとんでもなく疲弊します・・・。
・・それでもずっと考えているのは食べ物のこと。
やめられません・・。
あと『それでも痩せたい』ということ。
だってここで1グラムでも太ったら今までの苦労は水の泡、自分はダメな人間に舞い戻る・・
常にこの葛藤。
心はどんどん憔悴しきっていきます・・・。
もうここまでくると痩せていることが美しいのかどうかすらもうどうでもよくなってしまいます。
とにかく痩せることが目的なのでそれ以外はどうでもいい。
干からびてもいいから痩せたい。ちょっとくらい太っても大丈夫なように痩せ切らないと安心できない。
もう死ぬことすらどうでもいいような感じです。。
とにかく精神力と本能(食欲)の終わりなき戦いに疲れ切ってしまうのです。
他人が見てそんな病的に痩せこけていく人が美しいはずがありませんが、そんなの当の本人には分かりません。
自分のこととなると見えなくなるのです・・。恋愛依存同様ですね(笑)
もうここまで行くと立派な摂食障害という“依存症”です。
でも当時私が若かった頃は今のようにネットが普及していたわけでもなくそんな情報は殆どありませんでしたので、自分では何もわかりませんでした。
『拒食症』という言葉自体知らなかったし、そんな状態に陥ってんのは自分だけかと思っていました・・。
まあ幸い、私は過食嘔吐に至る手前でストップしています。
・・だから過食する過程は他の人の体験談ですが・・
それでもそこに至る経緯は痛いほど分かるのです。
ストップできていなければ自分も確実にそうなっていたと自信を持って言えます。
まあ、ストップしたとはいえものすごい『食べたい』欲求で頭がおかしくなるレベルには来ていたことを思い出します。
もうその頃には毎日食べ物のことしか頭にありませんでしたし、帰りに寄ったコンビニでシュークリームを見ただけでよだれが出て目眩がしたこともありました(笑)
そしてやっぱり人と一緒に食事をすることができなくなっていました。
・・食べ始めたら一体どうなってしまうのか、もしくは人目も相まってどんな食べ方をしてしまうのかが恐ろしくて・・。
(殆ど食べない様子を人に見られて何か思われるのが怖かったというのもあります。)
もうほんとにそんな“一歩手前”の状態です。
でもそんなある日、仕事帰りに(その時は都内の会社に通っていました)駅前の本屋さんにフラッと吸い込まれるように立ち寄った時に、
偶然“拒食症”について書かれていた(当時は珍しかった)本が目に入ったのです。
今考えると世間では賛否両論だった〇〇〇子さんの本です(笑)
私はその時の自分の状態、心境と全く同じような事例が書かれているその本の内容に驚き、即座に買って帰ると食い入るように何度も読み返しました。
・・正直言ってそれが正しい情報だったのかは未だにわかりません(笑)
でも私がその本に救われたことは事実です。
というか、その本が“気付き”のきっかけになりました。
「目的はなんだったのか思い出してください。きれいになりたかったのでしょう?恋人に好かれるためだったんでしょう?今のあなたはきれいですか?」
みたいな文だったと思います(笑)
私はそこでハッとしました。
自分の間違った努力の方向に気付いたんです。
身も心も荒み切った自分の姿がやっと見えたんです。
『醜いや・・・』
それからはちょっとずつ好きなものを食べるようになって、本に書かれてるようなやり方で“食べること”を正常化して行きました。
もちろん相当飢えていた状態ですから最初はやっぱりどれだけ食べても『食べたい』っていう気持ちが収まらない脳の異変に戸惑いましたが(笑)
それでも気を付けてちゃんとした食事を心がけるという“正しい”努力を続け、
時間はかかりましたが(何年単位で)徐々にどれくらい食べたらお腹いっぱいになるのかということが自然とわかるようにもなってきました。
そして人とも普通に楽しく食事ができるまでになったのです。
軽傷な段階で気付けた私ですら回復に年単位を要するんですから、拒食過食にどっぷりはまってしまった摂食障害の方々がどれだけ苦しんでいるかということは痛いほどわかります・・。
ちゃんと治そうとしたらそれこそ10年20年の歳月が必要になってくるというのもわかるのです。
依存症は全て怖い。
苦しいです。
“自分のこと”という思い通りになるように見えて“自分の身体”という実は思い通りにならない生命の不思議に気づいたりするのですが(笑)
考えてみたら我々『生かされてる』わけで・・・
例えば自力で寿命を決められたりだとか病気を治せたりだとか、全て思い通りになんてできないのです。
心もそうです。
思い通りにできるならみんな悟りを開いて悩みなんかないはずです(笑)
そう考えると『人は変えられないけど自分のことなら思い通りにできる!』なんていうのもまた人の傲りでしかないんじゃないかとも思ったりなんかして。
結局、人と関わることに於いても、自分一人でやることも、思い込みや短絡的な考えで思い通りになることなんてないのではないでしょうか・・。
どんな時でも物事を俯瞰する。
できるだけ広い視野を持つ。
そしてちゃんと考え正しい対処法を知る。
これって、何に於いても自分が不幸に陥らないためにはとっても大事なことだと思うのです。
それが欠けている、思考停止しがちなアダルトチルドレン、いわゆる毒子(笑)
そらいろんな問題にぶち当たりますわ・・・。
というわけで、これは毒子の私が22歳頃に体験した“摂食障害”の悲劇でした(笑)
これもまた毒子ゆえに陥った悲劇・・
毒子ゆえ、ほんといろんな余計なことに陥ってつまづきまくりすてぃ。
いろいろ乗り越えてきたかん子。(てか全部自分で起こしてる)
これからもいろんなやらかし体験談書いてゆきます(笑)