64話 共依存体質、恋愛依存によるダメ男製造の過程

依存症
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当時、渦中にいる時は全く気付きませんでした・・。
・・が、その昔、毒子である私はそのアダルトチルドレン&共依存体質特有の行動パターンを付き合う男性相手に対してもまんまやってしまっていたのです(しかも恋愛なので全力(笑))
今考えればあれは完全なる『恋愛依存症』というやつです。

とにかくやってることが変でした(笑)
いや、自分では一生懸命なだけで別に変だとは思っていませんでした。
でも周りにいる友人達には「確実におかしい」と言われていました。

で、今考えるとやっぱり『変』です(笑)

よく『恋は盲目』『恋愛中は周りが見えなくなるもの』とか言う人はいますが、
私の場合、なんかそういうのだけではありませんでした;
よくある“相手が〇割り増しにかっこ良く見える”とか“人前で平気でベタベタできる”とか、そんなカワイゲなことでもありません。

んー・・なんというか・・
恋愛するともう“周りが見えない”どころか“周りがどうでもいい”感じになって、頭おかしいレベルで“相手が全て”になってしまうのです。

とにかくいつなんどきも考えているのは相手のこと。
頭の中は完全に相手中心の世界です。
他の全てを全部後回しにしてもないがしろにしても第一に相手。(もちろん自分の事も後回し)
だからもう正直仕事なんか全然集中してませんし、常に『相手は今何してるのかなぁ・・』とか考えながらメールの返信や電話が来るのをひたすら待ち続けているわけです。

まあ、今だからわかることですが、、要は相手に捨てられることが常に怖かったのです・・。
「相手第一」と言ってもそれは実は自分のため。
自分が相手に捨てられたくないがために必死になって全身全霊で挑んでいたのです。

だから、相手の一挙一動に必要以上に神経質になるし、
時には相手があまり考えないで言った何気ない一言で絶望したりとか、言われたことに対しては無理があってもやらなきゃと必死になったり(例:お金がないのに貢ごうとしたり)とか・・
とにかく1人の相手に対して『全力』でした・・。
その努力たるや凄くて「例え火の中水の中」です。

・・まあ、アダルトチルドレンゆえの自信のなさから、相手の心(愛情)は自分がものすごい努力をしなければ手に入らないもの(=それくらいしなきゃ自分には愛される価値がない)と思い込んでいたということなのでしょうが・・
裏を返せば“自分の努力と引き換えに相手の心が手に入る”というご都合主義な考えが前提にあったとも言えます。(自覚してないですが)
つまり自分が全力で一生懸命努力さえすれば相手の気持ちはコントロールできるものなのだと・・・たぶんどこかで信じ込んでいたんだと思います・・。
自信がないわりに実はなんつー傲慢でうんこな思考回路でしょう(笑)
どうにしても全部大いなる勘違いな思い込みです。

当然ですが、人の気持ちなんて勝手なもんだし、他人の思った通りになることなんてありません。
考えてみればわかりますが自分だってそうです;
昨日まで好きだと思っていたアイドルを今日には理由もなく嫌いになったり飽きたり、そんなことだって普通にあるものです。
実は人の考えって非常にあやふやで、一貫してたり白黒ハッキリしてることなんて殆どなく、誰だってその人にしかわからない内外の複雑な事情や心変わりは常にあるもんだし矛盾だらけの考えをしたり行動したりするのがけっこう普通なんです。

・・でも、自分の矛盾についてはあまり考えないのに、相手が少しでも矛盾したことを言ったりするともう、頭の中は不安でグルグル状態になります。
『辻褄が合わないじゃないか!嘘ついたの?何なの??』

例えば
『昨日早寝したって言ったのにSNSに夜中に書き込んでるじゃん!!なんで??何があったの??』とかね(笑)

・・実際は夜中目覚めてトイレ行ったついでにちょっと書き込んだ、みたいなこともあるかもしれません。
相手の事情なんて全部わかるわけがないし、相手もそんなことまで細かく説明するわけがありません。
でも、こっちとしては自分にわからないことがあるともう不安炸裂なのです(笑)

相手の言ってることは全部嘘なんじゃないか?相手の“ほんとの”気持ちを確かめたい!『自分を好きだ』『自分のことを嫌ってない』という確証が欲しい!とにかく安心したい!!!
・・みたいな思考回路になり、自分に分からないことは相手の小さなことから何から何まで全て気になるようになります(笑)
気になり過ぎて相手の情報をシラミツブシに探し始めたりだとか、情報がなければそのうち妄想に入ったりだとか・・
そうなるともう妄想の中での完全負のループが始まります。
『え?嘘ついてる?』『他に好きな人できた?』『私のこと実は嫌いになった?』『もしかして、もしかして・・・』
そもそも“人の気持ち”という流動的で不確実なものに不変性や確実性を求めるという無理難題なことを考えているわけですから、安心するための材料なんかは探せば探す程どんどん不安になるのは当たり前ですが・・考えは止まりません。

まあ、“相手が全て”ということでほぼ相手のことしか考えてないからそうなります;
更に考えれば考える程に妄想はどんどんエスカレートしていき(しかも全部ロクな方向じゃない)、
そうなってくるともう『好き』『一緒にいて楽しい』とかいうプラスの感情よりも『傍にいないと不安、寂しい、苦しい、会いたくて会いたくて震える、つか愛してるとか言葉にして常に言ってもらわないと安心できない!いや、それでも信じられない!!心臓見せろコラ!!!・・』みたいなマイナスな感情の方が何倍も上回って来てしまうので心境としてはものすごーく辛くなっていきます。
・・しまいにはもう不安や寂しさ、嫉妬や猜疑心、独占欲などのいろんな感情でグチャグチャになって相手のことが好きなんだかどうなのかすら正直よくわからない状態になってきたりして。

かなり病的ですね(笑)

と、そんなドロドロの感情を常に持ちつつも付き合い方は相変わらず何をするにも相手中心。
自分がほんとに相手を好きなのかとかいうことすら置いておいて(笑)とにかく自分は嫌われたくないし怒られたくない(なにその発想)ので全て相手に合わせます。
相手が最優先なので例え他の友達と約束を入れていようが、相手がその日会えるというなら簡単に友達の方をキャンセル。
もちろん時間も場所も何もかも全部相手の都合のいいように決めます。
相手が遠くて来るのが大変そうだったら自分がどこまででも、例えいくらかかろうが、行きます(笑)

とにかくそうまでして相手を失いたくない。
これはもう大恋愛というより大執着です(笑)
・・・ああ、ほんとに嘆かわしい・・。

昔こんなことがありました。
デートの待ち合わせに、遠くに住んでいる相手の家の近くの店まで電車で3時間かけて行っていた私ですが・・
なんと相手は毎回2時間近くも遅れて来るのです。
しかもその理由は「寝坊した」とかそんなもんばかり。

しかしそれでも私は怒りませんし相手を一切責めません。
それどころか笑顔で「無事でよかったよ。心配しちゃった。」と言います。
で、相手は言うのです。
「男は2時間くらい遅れて来る心の余裕がないと大物になれないからな。」と。
それに対し私は
「そうだね。だから○○はいつも落ち着いててすごいんだね。尊敬してる。」

・・・何この会話。
アホかと。
バカかと。
(しかも実際相手は大したことない男)

そのうち私は2時間待つために一応本とかを持参するようになりました。(相手が万が一時間通りに来た時のために自分も2時間遅く行くとかはしない)
そしてそんな健気に相手を待つ心優しい自分を実はちょっと好きだったりして。

・・・ヘソで茶が沸きます。
今過去に戻れるなら当時の私にドロップキックかましたいです。

「このヘタレが!お前のそんなクサレ自己満な態度が勘違いダメ男を製造するんじゃい!」・・・と言いたい。

そう。相手の方はべつに『健気な優しい女性だ』なんて感動したりしません。(そう思う人がいたとしたら相当素晴らしい男性ですしそんな人は平気で遅刻とかしません)
せいぜい『なんだこいつは遅れてもだいじょぶな女なんだ。ちょろいな。』くらいでしょう。
そしてもっともっと遅れるようになっていくのです。・・いえ、なりました(笑)

・・・でも当時の私はそんな相手の頭の中なんて想像もできません。
自分と同じように他の人も考えるものだとでも思っていたのでしょう(笑)

今考えるとほんとに全て自分目線、自分の価値基準で勝手に行動して『ドヤ!』みたいな顔してた・・
『相手の価値基準はどうなのか?』みたいなところまで考えが至ってない。
独りよがりもいいところですね・・。

まあその他にも、相手のつまんない武勇伝を褒めたたえながら聞きまくってどんどん調子づかせたりだとか、いろいろ相手のためにいらない労力を使ったりだとか、お金を貢いだりとか・・
とにかくあらゆることで“尽くし”まくりました。
「なんでも言うこと聞くよ(ニコッ)」と・・・。

そうやって相手を調子づかせ勘違いさせ、どんどん自分にとっての“ダメ男”に作り上げていったのです(遠い目)

とは言え、意識はしていなくとも自分が大変なことに変わりはないし、無理をしているわけですから限界は来ます(笑)
「あなたといる時の自分が好き」だとか浮かれていられるのも限界に達するまで。
感謝するどころか当たり前みたいになって逆に不満まで言って来るようになる相手に実は知らぬ間に溜まるストレスと不信感。
こんだけやってるのに感謝されるどころか都合よく扱われていくことへの理不尽さに徐々に違和感を感じ始め、
『なんで?』と混乱しつつそれでも『もしかして私の頑張りがまだ足りない?』なんて方向に考え更に頑張っちゃったりなんかして。
しかし当然そんなこちらの思惑をよそに男は更に調子に乗っていくわけです。
『もうわけがわからん、こんなハズじゃなかった・・・』
・・そんなこんなでとうとう辛さはマックス限界ギリギリチョップに達し、ある日突然堰を切ったかのように不満を吐き出し始めるも時すでに遅し・・
と、まあそんな感じがだいたいいつものパターンです。はい。

まあ当然そういうもんだと思わせ調子に乗せまくってきたわけですから、そんな状態でいきなりそれまでの主従関係を崩すような主張とかし始めたら、そりゃ相手は“鳩が豆鉄砲”状態です。
『え、将軍様に楯突くの?今まで献身的にやってたじゃない?』みたいな。(実際将軍様じゃないんだけどね)

客観的に見れば人として普通な主張をし始めただけなんですが、2人の間はもうすっかりそういう関係性ではなくなっているわけで・・
『俺主人公』だと思っていた相手にしてみれば突然の脇役の自己主張なんて『生意気で身の程知らずな発言!』みたいな感じにでも思えて来るのでしょう。
そんで激高する男は時に暴力的な態度に出るようにもなったりして・・・。
『お前そういうポジションじゃねーだろ!』的な。

・・最悪な流れですね。

まあね、例え意図してなかったとしてもそういう関係性を築いてしまっていたのは実は自分自身でもあったというのは紛れもない事実なんですよね。
『嫌われたくない』『捨てられたくない』『愛されたい』『独占したい』『こんだけやってんだからそれ相応の報酬得られるはず』とかの下心満載で・・。
結局そんな下心から自分の“意志”を完全に封印して全て相手に合わせまくってきたことで、相手に“こちら側もまた意志のある人間なんだ”というごく当たり前なことすら忘れさせてしまう結果になってしまったのです・・。

んで結局望んでいたようなものは何も返って来ず・・・(笑)そんな状況に不満がたまり限界に達したからと言ってもそれは自分だけの都合・・。
にわかに「こんな関係性はやっぱひどい、返すべきものを返してくれないあなた悪い人!」と言い出しても当然関わっている相手は付いて来れません(笑)
そもそもそんな契約を最初に結んだわけでもない;
「え?突然何言っちゃってんの?意味わかんないんですけど?」です。
突然関係性を変えようと責め立てたりすれば相手も激高したりだとか豹変してその“謀反”に反撃もしてくるわけです・・・。

自分で勝手に頑張って限界が来て自滅して、最終的に今まで気にもしていなかった世の常識やらモラルなんかを引き合いに出して被害者面して相手悪者とか・・・どうなんでしょうと自分でも思うのです・・・。
そら相手も逃げるか切れるか・・するでしょうよ・・とも。いや、結局そんな風になる男もダメダメには違いないんだけどね;
それでも・・・ね。私も人のこと言えないくらい相当ダメダメでしょって思うのです;
それはもうそのようになる男を選んでしまうことから含めて、そんな状態に陥ったのもあれもこれもどれもそれも、一周して考えると元はと言えば結局全部自分に原因あるでしょって(笑)

とにかくどーしょーもないうんこでした。はい。

・・と、まあそんなことも全然わからず、自分のやっていたことを何も省みず、
毎回毎回「ああ、なんで私が出会うのはあんな男ばっかなんだろう・・・」と結局は相手のせいにして『自分不幸な人』で終わっていたのだから救いようがありません・・・。
不幸の種を撒いているのはいつでも自分だったのに・・。
それにこれっぽっちも気づきもしない本当の未熟者でした。

でもこんなふうに、アダルトチルドレンで共依存体質な人間がそのままそれを男女間にも当てはめてしまい結果恋愛依存症に陥ってしまうケースって、私だけでなくけっこうあるんではないかと思うのです。

それでも何度か失敗するうちに気づいて良い恋愛ができるようになる人もいるかもしれません。
・・でも、気付かないままだとずっと同じような辛い恋愛を繰り返す可能性は大きいです。
たぶん相手が誰であろうと。

もし永遠に自分を偽り苦しみ抜く覚悟があるならそれでもいいのかもしれません。
でもそんなこと出来ないのが普通だし、誰も好き好んで苦しみたいと思ってる人なんかいないと思うので(笑)やはり最初から本当の自分を小出しにでも晒してそれに見合った関係性を作って行く努力はすべきです。
それでダメだったらそれはもともとダメな相手だったのだということを受け入れることも必要。
相手のためにも自分のためにも。

『その思いは愛情なのか?執着なのか?』
本当の愛情であれば嫌がっている相手に執着するなんてことはできません(笑)

お互いが自立し、相手の気持ちも自分の気持ちも尊重し、その中で対等に支え合える関係。
そんな関係の恋愛が“相手に依存した恋愛”ではなく“自立した恋愛”ということなのだと思います。
自立した恋愛に恋愛依存のような苦しみはないものです。

自立って「自分で立つ」ってことだから、そりゃ強さが必要ですが・・
でもその強さがなかったら、自立しなかったら、人は自分の支えを探すため彷徨い一生苦しむようになっているのです。
でも一人で立てたら、人を支えることだってできます。
ほんとに人を愛することができるんです。

強さを持つこと。
それが本当の人への優しさにも繋がるのだと、今の私は思うのです。

弱いからって逃げても苦しみはずっと追って来る。
当たり前です。
苦しみの要素は大概がほんとは自分の中にあるのだもの。
「逃げちゃダメだ!」って、なんかのアニメにもありましたが(笑)
向き合って、自分を反省し、ちゃんと何が悪かったかを見つけて改善していけば、苦しみは自然と去って行ってくれます。
そうすれば人との関係だってちゃんと改善されるのです。

恋愛依存症を美化して悲劇のヒロインになっててはダメ!
恋愛依存は恋愛にあらず。
人への依存。
ただの苦しい病気です。

ということで、毒子ゆえ恋愛依存症に陥ったかん子の過去の苦しみのお話でした。

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