結婚して3年くらいの時でしょうか・・
まだ実家から離れたアパートに住んでいた時の事です。
私はいつものように子供をみながら家で家事をしていて、旦那さんは仕事をしていました。(ほぼ家でやる仕事なので)
そこへ一本の電話が掛かってきます。
電話を取ったのは旦那さんでした。
そして何やらずっと喋っています。
・・どうやら浄水器の営業ということでしたが、、
その営業の女性が私と同じくらいの歳の人で、小さな子供を抱えて母子家庭で頑張っている人だというのです。
子供を女手一つで育てるためにやりがいもある今の仕事(浄水器の会社の営業)に着いて一生懸命に働いていると。
それを聞いた旦那さんは
「頑張ってるなぁ。」と。
その電話は訪問のアポが目的だったらしいのですが、
「まあ、とにかく説明を聞いてもらえればいいっていうし、、聞くくらいならいいだろ。頑張ってるみたいだし。」
と言っていたので、私もその時は軽い気持ちで返事をし、その女性が浄水器の説明をしに家に来ることをOKしました。
・・そして数日後、約束通りその女性がやってきました。
OKはしたものの、私は正直徐々に嫌な気持ちが湧いていました(笑)
旦那さんはどうかは分かりませんが、私の場合『断る』というのがすごく苦手でしたので・・・。
『話を聞いたら断るのが大変だろうなぁ。』となんとなく考えていたのであまり話は聞きたくありませんでしたしその営業の女性と喋るのもとても億劫に感じていました。
なので、私はほとんど何も話さず、旦那さんがだいたい一人で対応する形で話が進みました。
まず女性の身の上話(電話で言っていた『母子家庭で頑張ってる』ってやつ)から始まって、徐々に浄水器の話に入っていきます。
女性は「私も子供がいますから、子供の健康のためにも“良い水を”ということでこの浄水器を使い始めたんです。使ってみたらほんとに良かったので・・」みたいな感じで話を進めました。
その浄水器は東京タワーみたいな形をしていて、高さ40~50cmはある大きなものです。
30万ということですが、断然その価値はありますということで、目の前でうちの水道水になんかの試験薬を混ぜて何色かに染まるのを見せ、
次にその浄水器を通した水でもう一度同じようにやって何も染まらないのを見せます。
そして「この染まったのが有害物質です。こんな水を飲んだりお子さんのミルクにしたりしているんですよ、怖くないですか?」みたいな説明をしていました。
正直そこまで怖くもありませんし『営業の手口だな。』くらいには思っていましたが・・
なんせ一生懸命に話すその女性に冷たい態度を取ったりすることが心苦しいというか、気まずくはなりたくないなという気持ちが話を聞いているうちに大きくなっていきました。
元から話好きの旦那さんは積極的に話を聞いて感心したり話を合わせたりだとかしています。
・・なもんだから、営業の人はますます調子づいて話し続けました。
私はなんだかどんどん居たたまれなくなってきました(笑)
・・だって30万もするというのを置いておいても、浄水器なんか買う気はハナからないんですから・・。
“話を聞いてもらうため”だけに来た彼女はその後延々1時間以上話し続けました。
私は内心
『一時間以上もこんなに熱弁させといて断るのもすごい気まずいなぁ・・どうしよう。』と焦り出していました。
・・しかし最後になって、散々会話していた旦那さんが、
「まあ、そういうことだけど・・どうする?判断はかん子に任せるから。俺はどっちでもいいよ。」と言って立ち去ったのです(おいおいおい)
このギャグのような展開に私は本気で焦りまくりました。
『ここへ来て私に振るって~~~!てか、どっちでもいいっつったってお金ないよ~~~!』
私は例によってしどろもどろになりながらいろいろな言い訳を並べて断ろうと必死になりました。
・・が、相手はプロの営業ガール・・
あれよあれよのうちに押し切られ、気が付くと契約書にサインをしている私がいました(爆)
そんなこんなで30万もする浄水器を何年かのローンを組んで購入することとなったのでした。お金もないのに(泣)
・・まあ、物はさすがに悪くはなく(水も確かにまろやか)、それから2年くらいは普通に使いましたが・・
結局引っ越す時に邪魔になったのでローンも終わらないうちに人にあげてしまいました。
・・しかしこの私の流されまくりのダメっぷり;
客観的に考えて今思い出しても腹が立ってなりません(笑)
「おい!旦那さん卑怯じゃないか!」・・と旦那さんのせいにすることもできないことはありませんが・・・
それがあったとしても普通に私が断れたでしょ(笑)
結局この私の気の弱さと優柔不断さ、八方美人っぷり加減なんかが後々の“ブラックリスト”事件に繋がっているに他なりません。
正に自業自得。
払いたくないもんを嫌々払ってるから忘れんだよ!(笑)
と、いうわけで・・
かん子は今なら断れんのか?
ということになってきますが、
断ります(キッパリ)
何のせいにしようが結果の責任を負うのは他の誰でもない、自分だということが身に染みて分かりましたから(笑)