29話 仕事を辞める、そして離婚までの経緯 7(離婚のやり方・離婚調停)

結婚と離婚
スポンサーリンク

前の記事のつづき)

荷物をまとめて家を出た私ですが、もちろん全てを万全に整えていたわけではなかったので、
とりあえずは実家に行くことになりました。

・・というか、まずは実家くらいしか行くところがないことは旦那さんもわかっていたので、
何も言わずに出ては来ましたが、どこにいるかはすぐに分かったとのことです。

・・しかし普通に考えて、ものすごいDVを受けたとかならまだしも、
何も突然家を飛び出さなくてもと誰もが思うかもしれません。
でも私には、『いきなり』家を飛び出す必要がありました。

何も言わずに出て来た理由は、簡単に言うと話し合いがしたくなかったからです。
今まで何か話す度に喧嘩になったりして最終的には言い込められてしまっていた私です。
その言い込められることが怖かった・・と言う感じでしょうか・・
今回ももし話し合いなんかしようものなら絶対に埒が明かなくなるだろう事は容易に想像できました。
・・それがとても怖かったのです。
『二度と言い負かされて流されたり言いなりになってしまうのは嫌だ』という強い気持ちが自分の中にありました。

旦那さんは仕事柄か元からか論理的に話すのが得意で、会話をする時は言葉を矢継ぎ早に繰り出して来ます。
それに対し私は昔から何かを言われるとフリーズしたように黙ってしまうのです。
強く言われると言い返せなくなって、結局言い負かされてしまうのが私のパターンです。

というか実はこの、私が言い返せなくなるのは旦那さんに対してだけというわけではなく昔からのことでした。

私の母はヒステリーぎみのところがあり、私はいつも何かにつけ怒鳴られて育ちました。
何か私が意に反したことをするとものすごい勢いで怒り出します。
しかし何が母を怒らせるポイントなのかはよくわからなかったので、私は常に母の顔色を見てビクビクしていたのを覚えています。
私は母がとても怖く、母が怒り出した時には頭ごなしに言いまくられることをじっと我慢することでやり過ごすことが私のやり方になっていました。
嵐が過ぎ去るのをじっと待てば、そのうち説教も終わり、私はホッと胸をなでおろすことができるのです。

昔からそのようにするのが習慣になっていてそれが私の日常でもあったので、
『人に何か言い返せば相手が激怒して一方的にやられる』といったイメージがずっと私の頭にはありました。
常に相手を怒らせるのが怖いという気持ちが根底にあったのです。
自分を守る手段、それは『黙る』ことでした。
私は自分を守るためにひたすら黙り、相手を怒らせないでやり過ごせれば、
そのうち相手も気が収まり、解放されるはずとどこかで思っていました。

離婚の決意は固かった私ですが、もし話し合いにでもなったらまたなんだかんだ言いくるめられて元の状況に戻らざるを得なくなってしまう可能性もある・・
私はとにかくそれがとても恐怖でした。
それに私にとっては家を出ること自体ものすごく勇気が要ることだったので、
『考えてしまったら躊躇して結局出られなくなってしまうんじゃないか。』という不安もありました。
ただでさえすぐに気持ちがグラつく弱々な私ですので、とにかくその時の怒りの気持ちと決意が固まったその勢いで家を出たかったのです。

家を出た時の私の気持ちは
『これでいろんな人に顔向けができる!』でした。。
悩み続けてグズグズ言いながらも何も行動に移せなかったことにものすごい自己嫌悪感を募らせていた私です。
結婚して10年、ずっとモヤモヤ抱えて来たうしろめたさから解放されるような気持ちでした。

『ちゃんと行動すべきことを行動できたんだ!正しいことができた!これからは胸を張って生きるんだ!』

・・一体私は何を根拠に自分の人生を決めていたんでしょう・・・
誰かに褒められたかったのでしょうか・・。
・・たぶんそうです。
『みんなに褒められたくて』、『誰かに怒られたくなくて』離婚を決行しようと必死だったんですね・・・。
ズレズレすぎて笑えます。

実家に行ってからは母もホッとしたようでした。
「やっとあの男から離れたか」という感じです。

しかし私は当然のごとく全くホッとしていませんでした。

なにせただ黙って出て来ただけ、
まだ何も決着がついたわけではないのです。
しかも話し合いはしたくない、何を言われるか怖い、
そんな中でどうやって離婚を成立させるか・・

とりあえず家は出て来たものの私は『どうしようどうしよう』とグルグル頭を悩ませました。

程なくして旦那さんから電話があります。
何度も何度も・・
しかし私は完全無視を決め込みました。
『怒っているに違いない、怖い、話したくない』
私はもう、まるで何かの犯人に追われているかのような心境になって恐怖でガタガタ震えていました。

と言ってもずっとこのままのあやふやな状態でいるわけにもいきません。
『どうにか一刻も早く離婚を成立させなければ・・・』

もう二度と旦那さんと直接話したくはないと思っていた私は、その次の日に早々と家庭裁判所に相談に行きます。
そして早速離婚調停の申し込みをするのです。
説明によると、旦那さんと話ができないような状態の場合には(私がその場合に該当したかどうかは別として)、家庭裁判所から相手に文書でその旨を伝えてくれるということでした。
『離婚調停が〇〇(私)によって申し立てられましたので〇月〇日に裁判所へ出向いてください』というような内容だそうです。
そして調停は相手方と直接会わずに、交互に入って行うこともできるというのです。
私はそれを聞いて少しホッとしました。

・・しかしここで困ったのが、旦那さんはポストを確認するような人ではないということです。
私は再び不安になりました。

「それで、文書を送っても相手が来なかったらどうなるんですか??」
の答えに
「そうしたらまた日程を変更して文書を送ります。」
と、役所の方・・。

・・・ちょっとした絶望感です;
しかも調停を申し込んでから相手に通知が送られるのが早くて一か月後だと言うのです。
一か月・・・!
遅すぎる!

一応「なる早でお願いします!!!」と叫んだ私ですが・・
頭の中には『無理かもしれない』という考えが巡りました。

『なんとか旦那さんに伝えなければ離婚ができないかもしれない』

しかも普通に考えて一か月もの間何も言わずに逃げおおせるわけがありません・・・。

私はもう食事も喉を通らないような感じで頭を抱え込んでしまいました。
『どうしよう、どうしよう・・・』
そして考えた苦肉の策が、弟を通して旦那さんに話してもらうということでした。

最初母にお願いすることも考えましたが、
旦那さんといわば敵対関係にあるような母では到底冷静に話してもらうことは不可能です。
かと言ってこんなこと他人に頼むわけにもいきません、、(父は話が極端に下手なので無理です)
そこで弟です。
穏やかで冷静な性格の弟なら誰とでもちゃんとした話ができるに違いない・・という判断です。

そして少し遠くに住んでいる弟に電話し、状況を全部説明し、弟が旦那さんと話をすることを引き受けてくれるという運びになりました。

弟には、
・私が話を一切したくないということ
・離婚調停を申し込んで、家庭裁判所から通知が行くので一か月後くらいにポストを確認して欲しいということ
・そこに書かれている期日に家庭裁判所に来て欲しいということ
を、伝えてもらうように話をしました。

これが滞りなく伝わったとの連絡が弟から来たので、とりあえず旦那さんのことは一段落といった感じです。
(旦那さんの方はパニックになったに違いありませんが;)

私の『自分のことしか考えてなさ加減』もここまで来ると清々しいものがあります。

そしてここからまたいろいろな問題に突入していきます。

(つづく)

タイトルとURLをコピーしました