26話 仕事を辞める、そして離婚までの経緯 4

結婚と離婚
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前の記事のつづき)

仕事を辞めてずっと家にいるようになった私は、旦那さんのことを『これでいいのか』と思う機会がそれまで以上に増えて行きました。
母からの助言は相変わらずで、
「あんたの旦那は違うんだから別れなさい」
ということ。

そのうち「よく当たる占い師のとこ行ってきたんだけど、この家族に旦那はいらないらしいよ。」とまで言われました(笑)
(本当だか嘘なのだかは未だにわかりません)

そして母は徐々に、私のこれからの理想の人生を話し始めるようになります。
以下、母の言った言葉です。

「離婚しないにしても、女は旦那に食わせてもらってたんじゃだめなんだ。自分でも金を稼がなきゃ。
旦那がダメになった時とか、もし離婚することになった時にどうする気なん?
どんな風になっても自立できるように、自分でちゃんと仕事を持たなきゃだめ。
私なんかがむしゃらにやってきたんだから。お前は甘い。
例え旦那が稼いでたとしても、自分は自分で金を稼がなきゃだめ。
お前にはこの立派な店があるんだからもったいないんだよ。
ここでやって、いっくらでも店を大きくできるし稼げるようになるんだから。

あの時、私がお前ら(私と母の妹)に店を辞めさせたのをなんでだと思う?
一回解散して、妹もやめさせて、後で娘であるお前に店を渡したいと思ったからだよ。
あのまま妹がいたら、妹の方に店を乗っ取られちゃうんだよ。お前は弱いからね。
だから一回全部まっさらにするために辞めてもらったん。
でも私は最初っからお前に店を譲る気なんだから、この店を無駄にしないように、やった方がいんだからね。」

ここまで。

店を譲る、、
・・それにしては私達2人とも酷い言われようで辞めさせられたのを覚えていましたし、
その後母は完全に一人でやる覚悟をしてお客さんをだいぶ減らすことになったともいろんな人に言っていましたので、
私としてはなんだか上手く辻褄を合わせて『母が正義』になるように言いくるめられているような感じもしましたが・・
2年という月日の経過で私の記憶も感情も薄れていて曖昧になっていましたし、
その頃にはもう離れた店や母の経営者としての態度のことよりか、自分の毎日の家庭でのフラストレーションの方が頭を占めていたのもあり、
そこまで矛盾について考えるような気にもなりませんでした。

それよりもやはり私の頭は日々の旦那さんとのすれ違いの方に行っていましたので、
母にいろいろ言われる中で、
『やっぱりいろいろ考えると自分も稼いだ方がいいんだろうか・・』という気持ちが徐々に大きくなって行ったように思えます。
しかし稼ぐにしても、もし本当にこのすれ違いによって離婚にでもなった時の事を考えると、
『たしかに私一人で二人の子供を育てるにはスーパーでパートというわけにもいかないなぁ・・』という不安が頭をよぎりました。
そして、『母に言われた通りに自分の店を持てば、子育てをしながらでも時間もある程度自由がきくし、なんとかやって行けるくらいのお金を稼ぎ出すことはできるだろう・・
いや、離婚しないにしても自分で十分なお金を稼げれば、自信もつき、お金を入れてもらっているという負い目から旦那さんに振り回されることもなくなるかもしれない・・』
なんてことも考えるようになります。

・・・こんなふうに、日々の不安の中で徐々に私の頭は母の言葉に傾いていきました。
そう、私はまさに母の言っていたことを、そのまま自分の考えのように考え始めていたのです・・・。
(母の考えを自分の考えと思うのはその時に始まったことではありませんが(笑))

旦那さんの言動や行動には、私にとって『これは違うんじゃないか』と思うことがたくさんありましたので、
その不安を友人に度々相談したりもしていました。
・・と言っても、私の善悪の判断や価値基準自体偏っていましたし、相談と言っても私の視点での相談でしかないわけで、
当然私という人間を信じ、思ってくれる友人達は私の味方をしてくれます(笑)
私が『正しい』と言うものを一緒に『それは正しい』と言ってくれるので、
私はますます旦那さんに対する不信感を強め、母の助言が正しいように自分の中で強く思うようになっていくことになります。
・・というか私のためを思ってくれているであろう私の親を、私を差し置いて否定する友達がいるわけもないのです・・。
私からの情報以外何も知らない友人達にとっては、
必然的に悪者になるのは旦那さんというのはもう最初から決まっていることでした。

私のやっていたことはたぶん『相談』ではなく、
ただただ、『自分の考えていることが正しいんだ』ということを誰かに後押ししてもらいたいがための行動に過ぎなかったのだと思います。

そんなこんなで旦那さんへの不信感とか不満は更に強まり続け、
家の中はどんどん不穏な空気に包まれていきました。
(今思うと私が一人でどす黒い空気を自分の周りに渦巻かせていただけなのですが(笑))

もうそうなったら、何か一つ不都合なことを言われたりするたびに
『やっぱりダメなのかも!』と毎回のように思うようにもなっていました。
まさに私の心は緊張の糸が張り詰めた一触即発の状態です。
毎日毎日、いろんな不信感が頭の中をグルグル巡り、『離婚した方がいいのだろうか??』という迷いも強くなり、
ずっとそのことばかりを考えているため気の休まる時がありませんでした。
そして、『もし離婚したら食べていけない』という不安と焦りも同時にどんどん大きくなっていきました・・。

同時期に私は断捨離や物の整理をよくやるようになります(笑)
『心の整理』という目的もありますが、
それよりもたぶん・・離婚した時に物をまとめやすくするため、すぐにでも家を出られるようにするための準備だと思います・・。

心はもう離婚実行の目標に向かってロックオンされてしまったかのように、
私はそれに向けて無意識にいろいろな準備を始めるような行動をしていたのです・・・。

酷い思いをして仕事を辞めることになったあの時、
私はもう母のやり方や、母と一緒に仕事をやる事にほとほと懲りて、
これからは自分の力で自分の家庭を守り、自分の人生をしっかり生きていくんだ・・
と、心に強く思っていました。

・・にも関わらず、ほとぼりが冷めたらそんなことはすっかり忘れてしまったのか、
家庭での旦那さんに対する不安やストレスに比べたらそんなことは考えるにも及ばないレベルのことに思えてきたのか、
どうにしろいつの間にか私の気持ちはすっかり母の言っている事に傾いてしまっていたのでした。

何事にも自信がなく、弱い私の軸のない気持ちと行動と選択の数々・・・
全てがブレブレで、ユラユラふわふわしていて、今思うと当時の私という人間はまるで浮遊霊か何かなんじゃないかと思う程のありさまだったように思います。

そしてそんな不安定な生活の中で決定的な事件は起こります。

(つづく)

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