22話 騙されて行った心療内科と薬の離脱症状からの脱出

結婚と離婚
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地元に家を建て、引っ越しや幼稚園の転園手続き等の事務処理も滞りなく済ませることができました。

私は、予定通り子供が幼稚園に行っている間に実家の美容院で働くことになります。
実家の店は、母、母の妹、私、の3人でやっている、いわゆる家族経営。

母と母の妹は仲良しではなく、しょっちゅういがみ合ったりの仲でしたが、
それでも何かと依存し合っているような、少し不自然な関係でした。
実際母の妹は昔から何度も母の店で働いたり辞めたりを繰り返しています。
母の方も、喧嘩して追い出したかと思えば何かあって必要になると手伝いを頼むというような・・
妹の方も言われれば文句を言いつつも手伝いに来るというような・・なんだか他人同士だったら考えられないような不思議な状態でした。

歳が10歳離れているので、ずっと姉妹というよりか親子みたいな感覚だったと、以前母が言っていたことがあります。
確かに普通の兄弟姉妹よりずっと『身内』色が強い関係のように見えました。
私からすれば母の妹はおばさんですが、
私が小さかった頃、おばさんが母の店を手伝いながら私の面倒もよくみてくれていたというのもあり・・
私にとってもおばさんというよりも『おねえちゃん』という感じの方が近かったように思います。

と、そんな3人での仕事が始まりました。
まあ、私は出産する迄働いていたので、3年くらいのブランクがあってまた戻ったということなのですが。

しかし、家の着工に入る頃突然開きづらくなった目は一向に良くなる気配はありませんでした。
運転する時は片手で瞼をこじあけ、
仕事は薄目でやっと見ながらやるような状態で、普通に仕事をするののたぶん何倍も疲れていました。

最初はストレスが原因とは思わず、いろいろな病院に行って検査をしました。
同時に目眩も時々起こっていたので、そちらの検査も一緒にしてもらうことにしましたが・・・
内科、眼科、耳鼻科、神経科、脳外科・・・
全ての検査で『異常なし』でした。

どこへ行っても異常なし、
お金はかかるし、もうほとほといろんな病院に行きまくるのも疲れてしまっていましたが、
母が次々に「次はここへ行きなさい」と指示をしてくるので、辛くても忙しくても一生懸命に病院巡りをこなしました(笑)

「どこへ行ってもどうせ異常なしだし、疲れてしまって行きたくない、少しゆっくりすればそのうち治ると思うし・・」という旨を伝えると必ず怒り出します。
「そんなことでどうする!仕事に支障が出るでしょう!自分の体はなんとしてでも治す努力をしないと!迷惑なんだからね!!
私なんか病気になったらとにかく医者を駆け回って点滴うってでも治して仕事してきたんだから!!!」

とにかく『私は頑張ってきた』『お前は甘い』ということです。
何につけても一番の母の言いたいことはいつでもそこでした。

・・まあ、経営者でもある母にそう言われてしまうともう逆らうということはできませんでした。

とは言っても、原因がないものはない。
どんなに医者に行っても分からないものは分からないということで、
ある日行った神経科の先生に『デパス』という薬を一か月分も処方されました。
・・調べてみたら安定剤の類でした。
原因がないのに原因を探せという私に処方する薬は安定剤、ということなのでしょう。
自分でも『まあ、そうだよな』という思いでなんだか脱力していました。

本心は医者通いは休憩して、家でゆっくり休みたかった・・。
どこへ行っても結果はわかっていたし。
・・でもそれはできませんでした。
焦燥感と義務感?罪悪感?でしょうか・・・母に対する。
たぶんそれしかありませんでした。
自分で元気にならないと子供達の世話ができなくなるとか、家事がスムーズにやれないとか、お金を稼げなくなるとか・・・そういうことよりも先に私の頭の中には
『やらなきゃならない』『姿勢だけでも見せなきゃ』『母に怒られる』という気持ちが駆け巡っていたように思えます。(もちろん『無意識に』ですが)

こんな風に、私はなんだかいつも人生の目的がズレてしまっていました。
そのズレた目的を遂行することに終始して、本当に大事なことや必要なことをじっくり考える暇もなくいろんなことに焦って走り回っていたような気がします。

母に言われたことは絶対にやらなければならない・・
それは今思うと強迫観念でしかないです。
・・だって、客観的に見て『やる必要のないこと』なのは明らかです。

『やりたくない』『辛い』、『でもやらなきゃならない』という思いで私は始終余計なことに追い立てられヘトヘトになっていました。

そんな医者通いを繰り返していたある日、
母がどこからか情報を仕入れてきたらしく、ある医者に行きなさいと指示されました。
「なんか、漢方の医者で、すごく良いんだって。今度そこへ行って来てみな。予約取ってやるから。」との事。

・・結局そこは心療内科でした。
漢方は嘘ではありませんが、、漢方薬を処方することもある、という普通の心療内科です。
やっと取れた予約らしく母は喜んでいましたが、
行ってみてから心療内科だと分かった私はなんとも言えない気持ちでした。

最初の診察は、状況や症状なんかを詳しくヒアリングするために一時間くらいかかりました。
診断結果は
『いろんなストレスがあって心の元気がなくなっている症状』との事。
なんじゃそりゃ(笑)
・・まあ、鬱病とかの類の診断だったんでしょうか・・・病名とかは詳しく教えてはくれないお医者さんでした。

処方されたのはサインバルタという薬と安定剤の2種類です。
・・もともと診療内科にかかるつもりではなかったし、
あまり飲みたくありませんでしたが、なんというか・・義務感でその日から真面目に飲み始めることになります。

医者は一か月に一回。
毎回薬と診察代合わせて5000円くらいはかかりました。
毎月5000円出すならエステかマッサージにでも行きたい思いでしたが、
しぶしぶ毎月お金を出して行きたくもない医者に、効いてるか利いてないかもわからない薬をもらいに通うことになりました。
診察は簡単なもので、カウンセリングではないので話は聞いてくれませんし、訊かれたいくつかの質問に答えるだけでした。
余計なことを喋ろうとすると「質問にだけ答えてください」と言われました(おい)
そして「少し調子が悪い」と言うと否応なしに薬を増やされます。
なので、『これはいかん』と思い、だんだん「異常ないです」としか言わなくなりました。
・・・なんでしょうかね?心療内科ってみんなそうなんでしょうか。
私はちょっと不信感を持ってしまいましたが・・
それについてはよくわかりません(笑)

・・そんなこんなで、仕事をしながら、(目は特に治る様子もなく)約2年くらいその医者に通っていましたが・・・
毎月予約を取って行かねばならないのがめんどくさくてたまらなかったのと、
薬も効いているかよくわからないし、何より毎月5000円無駄にしているようで嫌だったので、
2年も通ったんだからいいじゃないかと、医者に「もう通わなくていいです」と言ってもらいたいがために
「もうだいぶいいです。大丈夫そうです」ということを毎回言うようになりました(ほんとに何のために行ってんだよ)

ですが先生は一向に診察通いをやめさせてくれようとはしません(笑)
一体何年、どうなるまで通わせる気なのか・・・

疑問に思ったので、心療内科に通っていた知り合いに聞いてみたところ、
「10年通ったけど治らなかった」と言われて仰天しました。。
冗談じゃないです(笑)
私はやめる決意をしました。

まず薬をやめようと思い、医者に相談せず飲むのをやめてみました。
・・が、飲まなかった2日後、すごい目眩にみまわれてダウン。
恐怖を覚えてネットでいろいろ調べてみたところ、
この薬はやめる時の離脱症状があるとのこと・・

やばいものに手を出したもんです。

それからネットで薬をやめた人の記事を見つけてよく読んで、
量を徐々に減らすというやり方で地道に時間をかけてやめるという方法で、
2~3か月かけてやっと飲まなくても支障が出ないような状態になりました。

・・・今だに何のための薬だったのかよくわかりません・・。
でも思い返してみれば、薬を飲んでいる期間はとにかく眠く、ずっとボーっとしていたような気がします。
ストレスをストレスと感じないような、、とにかく眠くてどうでもいいような・・・
それが良かったのか悪かったのかはいまだに全くわかりません。
・・肝心の目はというと・・良くならなかったです(笑)

ただ、薬をやめてから、いろんなことでとにかくイライラするようになりました。
薬を飲んでいた時に起きた理不尽なことを思い出してはイライラするという感じです。
『なんであんなことがあったのにあの時は平気だったんだろう??』
・・全部がそんな感じです。
薬が切れて、元の自分に戻ったような感覚と言ったら分かりやすいでしょうか・・・。
私にしてみればただのブランクで、無意味な期間だったというような気持ちが後から押し寄せました。

そしてこの感情から私のストレスは徐々にピークに達し、
爆発し、それが大事件に発展します。

・・しかし今思うとこれも含め、広い意味では薬の後遺症だったのかもしれないとも思います(笑)

人の感情をコントロールしてしまう薬って、実は怖いものなんだなと知りました。
しかも感情をコントロールして抑えたり高揚させたりするだけで、根本の問題は何にも解決してないじゃないかと。
そりゃ薬やめたらまた戻ります・・。
薬を飲むことによって逃げてた現実にまた舞い戻る感じです。
・・これはもう、逃げる前(薬をのむ前)よりも辛いです。
よってやめられなくなるという悪循環・・・医者も商売なんですかね。(タブーですか;)

そして大事件に続く

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