話は少し逸れますが、
結婚して最初の頃、住む所を探していた時に一度母が
「私がマンションの一室を一括で買ってあげるから、そこに住みなさい。ローンは利子なしで私に返済すればいいから」
ということを言い出したことがあります。
・・昔から何においても私が拒否することがなかったことから、母は私の返事も聞かず勝手に知り合いの不動産屋さんに頼みマンションを探し、
『ここでいいでしょ?一回見に行ってみなさい』とそこまで私に言ってきました。(不動産好きの母だったので、物件を探したりするのも好きでした)
母にとっては家庭の事を女が牛耳るのは当然の事でしたので、私が決めてしまえばそれでいいと思っていたようです。
・・ですが、私達夫婦はそうではありません;(私も人生で牛耳った経験なんかないし)
当然私の一存で決めるわけにはいかず、それでもあっという間にそこまで話が進んでしまっては、とりあえず早くに旦那さんに話さなければ、と、そこでやっと旦那さんに相談します。
旦那さんがどんな反応をするかはなんとなく分かっていましたが、言うしかないという感じで言いました。
結果は・・・怒り心頭です;
「なぜそこまで勝手に決められて言う通りにさせられなきゃならないんだ?意味がわからない。」と。
・・今考えるとごく当たり前の反応ですが・・
当時の私は『だから言うの嫌だったんだ・・・我の強い人だから絶対反発するって思った・・。』ととても困惑していました。
どうしてスッと言われた通りにしてくれないんだろう?
お金だって助かるし、別に都合が悪いことはないじゃないか・・。
スムーズにいくこともスムーズにいかない。
それによって無駄に悩んだり困ったり、うちの実家との関係も上手くいかなくなったり、余計な苦労をする羽目になる。
どうしてこの人は変なふうにプライドが高くて頑固で、反発ばかりして、いつもワザワザ揉めるようなめんどくさい反応ばかりして私を大変にさせるの・・?そんなにこだわりとか大事なの?それより楽しく朗らかに毎日を送りたくないの??
と、そんな風にどっぷり落ち込んで背後に縦線を出して泣きたくなっていたと思います。
そしてその旦那さんの反応を母に伝えるのも当然億劫極まりなくて、
『ああ、また大変だ。先走って意気揚々と動いている母になんと言ったらいいものか』・・
と、私の頭は『どうしよう、どうしよう』でグルグルでした。
丁度その時店に来ていたお客さんの旦那さんが母の話を聞いて
「うわぁ~いいなぁ~僕だったらそんな話はウハウハで乗りますよ~~羨ましい!いいお母さんだ。かん子ちゃん(私)、お母さんに感謝しなよ~」
みたいなことを言っていたのもあって、
私は『そうだよな~普通はそうやって素直に聞いて簡単に物事が運ぶもんなんだよな・・・。』と思ったのを覚えています。
というかこれなんですが・・・
昔から、この『店のお客さん』という存在を上手く使うのは、実は母の無意識の手法でした。
ずっとそうでしたが・・何かあると母は私を店に呼んで、お客さんの前で話し始めます。
うちの店のお客さんは、殆どがみんな常連の顔なじみの方ばかりでしたので(だからプライベートなことも話せたのですが)、
まあ、だいたい何を言われても普通に母に賛同します。(例え間違っていたとしても、他人の家のことを何も本気で反論始めて場の雰囲気を悪くさせるような人なんかいないのが普通です)
「そうねぇ。その通りだわねぇ。」「大変ねぇ」
誰もがそこまで深く考えず母に調子を合わせてくれます。
母は店ではいわゆる『裸の王様』状態でした。
そうして母は自分の正しさを多数決で証明し、
大人しい上にお客さんの前でよけいに喋れなくなる私はいつも『母の意見が正しい』ということで納得をさせられていたように思います。
もちろん心理的な作戦で誘導をしている事など、母は全く無自覚です。
『自分のやっていることが本当はどうなのか?』・・などと考えることはしないので、何も気づかないまま歳を重ねていった感じです。
ちなみに店のお客さん(時には訪問してきてくれる農協さんや店の材料屋さん)を巻き込んだこの手法はいまだに、大人になった私にも子供の時と同じように行われてますが(笑)
からくりに気づいた私にはもう何の効力も成しません。
「ニコッ」と笑って終わりです。
それによって私が自信を無くすことも、自分が間違っているんだと自分を責めることも今はもうありません。
・・と、また話がかなり昔のことにまで飛んでしまいましたが;
その時はわからなかった『私の行動の根拠となる原因』をいちいち解明しつつ書いているのと、
しかもそれをするのにかなり昔のことまで遡って探っているのでちょっと分かりづらくなってしまってます。
すみません><
ある出来事を経て『気づき』を得てからの『覚醒かん子』は思うのです・・
今、目の前にある全ての問題って、
実は殆どの事が外側ではなく自分の内側にあるものが引き起こしていているんではないかと。
そしてその内側を探るために、自分の過去を遡って考える必要があると・・・。