当時住んでいたマンションは少しいいところで、
田舎にしては家賃が高めでした。
4年くらい住んで、
今の家賃のことを考えると、家を建ててローンを組んでも値段的に変わらないんじゃないかということで、
家を建てる方向で考え始めました。
子供も、できれば小学校に上がる前の方が地域が変わっても転校とかさせなくて済むし、時期的にも今がベストだと。
問題は場所です。
・・一生住むわけですから私も真剣に考えました。
私は出産前は、実家の母の経営している美容院で働いていました。
もし実家の近くに住めるのだったらまた働くことができる、実家の店だったら子育てしながら融通もきくし・・というのが頭をよぎります。
これは母も望んでいたことですし、私にとってもそれが最善のように思えていたので、旦那さんには
「私は実家の方に住みたい」という意見を正直に話しました。
私にしてはなにしろ苦手な自分の主張をするわけですからかなり勇気が要りましたが。
『ここだけは!』てな思いで言ったと思います。
旦那さんは反対。
たぶん・・私が実家の近くに行くことで、今後家族がどのようになっていくかがなんとなく予想できたんじゃないかと後になって思います。
そんなこともなんとなく言っていたし。
それでも私と母からすれば、旦那さんの反対意見は根拠もなく、ただの我儘にしか見えていませんでした。
旦那さんの仕事も一時期は都内に通うことが多かったので駅が近くにある今の地域である必要があったのですが、
それもなくなっていたので何も問題はないはずだし、
うちの実家にうるさく口出しされるのがうざいからとか、今より更に田舎に行くなんて嫌だとか、そんな理由なんだろうと思っていました。
なにより私としては、誰も知り合いもいない、子供のためのいろいろな施設(医者も含め)もよくわからない今の場所に住むよりは、よく知っている地元の方が住みやすいだろうという気持ちもありました。
地元に行けば友達もいて何かと情報も入るし不安も少ないだろうと・・
店や仕事のことだけではなく、子供を抱えてとにかく何事も不安でいっぱいだった私にとって、地元に帰るということはとても安心できる選択のように思えました。
ところでここで普通に考えると、旦那さんの方にも「自分の地元に住みたい」と言う権利、可能性だってあってもおかしくないはずなのですが・・
その時の私の頭にはその発想は全くありませんでした。
でももともとそういう考えの旦那さんではなかったし、言う可能性はなかったでしょうが・・・。
それでもそれを『当たり前』と思うのはちょっと違うなと、今の私なら思います。
・・ほんとにどんだけ自分側のことしか考えられない思考回路だったんだろうと・・・。